杉並区立和田中学校*1藤原和博校長が、全校生徒に重松清の『エイジ』を配布したという記事を読み、どんな本なんだろうと読むこととした。「中学生」を評する言葉として、「キレる」「荒れる」「病んだ」「疲れた」「きしみ」「ひずみ」「悲鳴」「SOS」「行き詰まり」「窒息」が挙げられる。主人公エイジは思う「『キレる』って言葉、オトナが考えている意味は違うんじゃないか。我慢とか辛抱とか感情を抑えるとか、そういうものがプツンとキレるんじゃない。自分と相手とのつながりがわずらわしくなって断ち切ってしまうことが、『キレる』なんじゃないか。」と。
⇒では、キレない中学生を育てるには、我慢や辛抱を教えるより先に、親や教師が子どもたちとの強固な「つながり」を求めなければいけないということか。簡単にキレないような強固な「つながり」とは、どのように築けば良いのだろうか。また、エイジが通り魔となってしまった同級生のタカやんとの根本的な違いは一体何なのだろう。わが子と関わる中で観察を深め追究していきたい。
⇒しかし、時には他者を傷つけない範囲で「キレる」ことも必要ではないかと考える。自分で自分をコントロールすることが難しくなった時には、自分が壊れる前にエイジのように保健室へ行って「授業を受ける中学生」という「つながり」から脱するのも認められるべきだと思う。
エイジ (新潮文庫)