「『効果のある学校(effective school)』論が、点数で表示される基礎的な学力テストをもっぱら問題にし、『点数を上げるために、何が効果的(effective)だったか』を議論するのに対して、私の言う『力のある学校(empowering school)』は、そこでの課題をクリアしつつも、点数を高めることを自己目的化しないで、子どもたちのさまざまなポテンシャルを引き出すことに専念し、その成果が周囲にも認められている学校のことをさす。」
⇒ぜひ私も『力のある学校(empowering school)』をめざし努力したいものだと思う。しかし、現実問題として非常に厳しい状況下に置かれていることも事実である。「しんどい」子どもが多いと言われる布忍小学校において「就学援助」を受けている家庭が3割、単親家庭の子が2割の水準に達すると書かれているが、私の勤務校においては、就学援助率は7割に達する勢いで、単親家庭は3割5分を超えている。本校は布忍小学校のように同和教育推進校ではないので「重点校」にも指定されていない。ゆえにヒトやカネといった資源も十分に配分されていない。このようなナイナイづくしの状況下で、『力のある学校(empowering school)』を構築するには、どうしたらよいのだろうか。悪戦苦闘する日々が続く。
公立小学校の挑戦―「力のある学校」とはなにか (岩波ブックレット (No.611))