VegeetaM2007-01-04

 弟と次男坊(小4)という変わった組み合わせの3人で、『硫黄島からの手紙』を見に行った。
 クリント・イーストウッド監督の冷静かつバランス感覚に秀でた凄腕に驚嘆した。
 ●投降しようとする日本兵を同じ日本兵が撃つシーン。●捕虜となった日本兵アメリカ軍人が射殺するシーン。○バロン西アメリカの傷病兵に手当てをさせるシーン。○最後まで生き抜いたパン屋の西郷を保護するシーン
に監督のバランス感覚を感じた。
 それにしても、あの硫黄島の攻防で、日本が得たもの・学んだものとは一体何だったのだろう。戦争のむなしさ・戦争は人間が人間として生きることを否定するということ…。特に吠える犬を殺せなかった元憲兵の姿に胸が熱くなった。人間の感性を否定しなければならない戦争。次男坊は、何度も顔を伏せ、何度も私の腕を強く握ってきた。「戦争はイヤだね。」という一言にすべてが詰まっているように感じたのだが…。『美しい国』日本とするために、安倍首相が戦争の準備をしているような現状を心底憂える。
 このような反戦映画は日本人自身が製作しなければいけないのにと強く思った。現在の日本では難しいのだろうか…。石原慎太郎は『俺は、君のためにこそ死ににいく』という特攻隊を美化する映画を製作しているという。