VegeetaM2006-03-18

  最新の地雷探査機…? 『マイン・アイ』に対する不信感
 2004年11月9日、NHKのプロジェクトXで「日本技術陣 1億の地雷に挑む」が放映された。JAHDS(人道目的の地雷除去支援の会)の冨田洋氏が開発にあたった最新の地雷探査機『マイン・アイ』を紹介するものであった。NHKのホームページを引用すると次のような番組であった。


米国から一人の男が会社を訪ねてきた。国連の地雷除去担当部門の責任者。 「レーダー技術を地雷探査に生かせないか」。その申し出に冨田は奮い立った。「自分たちの技術で社会に貢献したい」。もうけの出ないボランティア。社員の多くが反対した。しかし、冨田は本業に迷惑はかけない」と皆を説得。自ら工場にこもり研究を始めた。資金にも技術力にも限界がある町工場。冨田は研究のかたわら、自ら大企業の門をたたき続けた。冨田のねばり強い説得はやがて大企業を巻き込む大きなうねりを生んだ。試作機を手に、最悪の地雷埋没地帯「タイ=カンボジア」の国境に乗り込んでいく。番組では数々の困難を乗り越え、企業の社会貢献の在り方を模索した一人の技術者とそれを支えた人々のドラマ を描く。
 私は番組を見て、この最新の地雷探査機「マイン・アイ」をもってすれば、地雷除去も速やかに行われるのではないかと感動し、一昨年度選択社会科を履修している生徒たちにも紹介した。ところが、昨年カンボジア:マライ郡のCMACの地雷除去地に立って感じたことが何点かある。最悪の地雷埋没地帯「タイ=カンボジア」の国境にあるマライ郡は、
・雑草生い茂る緑深き大地であった。CMACの地雷除去員は草刈りから始めていた。
・概観すれば平地ではあるものの、自然の大地であるのでデコボコうねっていた。
・じっとしていても汗をかくほどの高温(約40℃)多湿地帯であった。
 → このような場所であっても、コンピュータ制御された『マイン・アイ』は、本当に機能するのだろうか。テレビで見た限りでは、『マイン・アイ』自体の重量もあり、砂場のような平地で動作実験をしていたようであるが… 
 → なぜ、CMACでは採用しないのか…? 使えないからだという。
   では、あの「プロジェクトX」は何であったのだろう…
 ⇒ 地雷除去のハイテク技術に対する「メディアの先走り」であったと考えるほかない。