VegeetaM2005-12-24

 一ノ瀬泰造の『地雷を踏んだらサヨウナラ』を読んだのは、カンボジアへ行く前であった。一ノ瀬が望みつつも見ることのできなかったアンコールワットを、私が代わって見て来るのだと意気込んで出かけてから、早いもので4ヶ月が過ぎ去った。右の写真は、アンコールワット近郊に眠る一ノ瀬の墓を訪れた時のものだ。「一ノ瀬泰造」という拙い文字が絵の具状のもので描かれていた。明らかに、地元カンボジア人が、日本の観光客目あてに建立したものと推測されるものであった。一ノ瀬は本当にアノ場所で殺されたのだろうか?
 さて、話を戻そう。その後私は、一ノ瀬が憧れた沢田教一の『泥まみれの死』『ライカでグッドバイ』を。そして、ロバート・キャパの『ちょっとピンぼけ』を読んだ。時代と逆行する形で、一ノ瀬→沢田→キャパと読み進めた。
 本との出会いは、このように「つながり」が大きく影響するものだと改めて感じる。今、一ノ瀬・沢田が敬愛してやまなかったキャパの写真集を見ながら、「戦争」とは何かと考えている。

地雷を踏んだらサヨウナラ (講談社文庫)

地雷を踏んだらサヨウナラ (講談社文庫)

泥まみれの死 (講談社文庫)

泥まみれの死 (講談社文庫)

ちょっとピンぼけ (文春文庫)

ちょっとピンぼけ (文春文庫)