最近「戦争」をキーワードとした本ばかり読んでいる。そんな折、西武線の車中で、校長先生から1冊の本を紹介された。それが沢木耕太郎の『凍』であった。すぐに、近くの本屋で探したがダメ。Amazonで注文しようとしたが、4〜6週間発送にかかるという。
 昨日、神保町に出る機会があったので、ようやく購入した。帰途、読み始めたのだが『カッパえびせん』のCM「やめられない・とまらない」状態が続き、一気に読んでしまった。私も学生時代、随分と山に登ったものだが、壁や冬山を攻めることはなかった。もっぱら夏の縦走登山であった。臆病であったのだ。転落したら・・・滑落したら・・・と心配が先に立ってしまったのだ。
 それだけに、山野井夫妻の壮絶なギャチュンカン登攀に感動した。「感動した!」という表現は小泉首相が使って以降、安っぽい言葉に変質してしまったが、本当に感動した。「生きること」「生に執着すること」の素晴らしさを改めて痛感した。生きているからこそ、ポタラ峰北壁の初登頂も成し遂げられたのだから・・・

凍