いつであったであろうか…?佐藤忠男氏の『戦争はなぜ起こるのか』が書評で紹介されていたのは…?我が家には「積読」本が数多くある。読もう読もうと思っていたものの、なかなか読めずにいた本の山である。今春、職場を変わり片道1時間弱の通勤電車に揺られる生活となった。さながら「移動読書室」の感を呈している。
 佐藤氏は、戦争の原因を非常に平易な言葉を用いて解説している。数多いルビは、我々大人にとっては少々うるさい感じもするが、小学校の高学年から十分に読みこなせる内容であり、推薦図書の1冊である。
 特に


平和なときでも、国というものは、将来また、いつ戦争になるか分からないということを考えている。そのとき、この前の戦争のときは自分の国のほうが悪かったのだ、というようなことを国民の多くが考えていると、今度も自分の国が悪いのではなかろうか、と考える人間が出てきて、戦争がやりにくくなる。

 私は、勉強のできる者がよく勉強してよい学校へ行くことは結構なことだと思う。しかし、言っておくが、それは、大人たちが言うように、将来いい仕事で楽な暮らしをするためだ、などと思うな。そうではなく、貧しい人々を助けるため、貧しい国々を助けるため、この世界から戦争や不公平をなくすための方法を考えるためにもっともっと勉強しなければならないからだ、と考えたい。それが人間にとって自然な気持ちのもちようというものだ。 
という文章が強く印象に残った。
戦争はなぜ起こるか