東京マラソン2011
東京マラソンにエントリーしたところ見事当選。これまでも数回申し込んだのだが、いつも落選していたので、全く練習らしい練習はしていなかった。もしかすると、今年度から陸上競技部の顧問になったので「しっかりやれよ!」との神の思し召しかもしれないと思い、当選通知を受け取ってから練習を始めた。練習当初は30分走るのがやっとであったけれども、1日90分・土日に30kmまでは走れるだけの力はつけた。21年前、初マラソンで「モスクワマラソン」に挑戦した経験をもってすれば、何とかなるだろうと軽い気持ちで参加した。
20kmくらいまでは、太股に多少違和感はあるものの、ゆっくりとした想定内のペースで走れた。しかし、25kmを過ぎてからは、気持ちは前に行っているのだが、足が動かなくなった。あと17km足が持つのかと不安になった。想定では35kmまでは走り、あとの7kmを歩くつもりであったので、不安な気持ちでいっぱいになった。リタイアしようかと何度も思ったのだが、周囲の人たちも足を引きずりながら歩いている。このまったりとした流れにのって完走いや完歩だけをめざすこととした。
きつかった。本当にきつかった。何度もリタイアしようと思った。もう2度とエントリーなんかするものかと思った。しかし、ゴールした時のあの何とも言えない感動は何なのだろう…。記念のタオルや完走メダルをかけてもらった時には、来年はしっかり練習して絶対走り切るぞ!と新たな闘志を湧かせている自分がそこにいた。
グローバル教育2010
グローバル教育2010の「国際協力レポート部門」で、関口知宏賞を受賞することとなった。
ワン・ワールド・フェスティバルが開催される大阪国際交流センターで授賞式があるという。往復の交通費を出していただけるということなので、6年ぶりに大阪へと向かった。少々手狭な会場ではあったが、アットホームな表彰式であった。
表彰対象となったのは、カンボジアの緑化事業をテーマとした「地雷原をグリーンベルトに」という『アジアの地雷不発弾被害を伝える会』の活動報告である。副賞として「関口知宏の地球サポーター」のサイン入り本をいただいた。
ハミングバード
新しい年が始まった。
渋滞を避けるためプラス明日の箱根駅伝を見るため、元日早々に妻の実家である春日井を後にすることとした。大晦日にも夫婦で出かけたのだが、今日は家族4人で珈琲店「明楽時運」を訪ねた。店長がお客さんを見て、ウェッジウッドの素敵なカップ群から選択し、コーヒーが出される。2011年幕開けの私のカップは「ハミングバード」であった。
「ハミングバード」の日本名は「ハチドリ」である。3年前に教え子のUくんが「ハチドリのひとしずく いま、私にできること」という本を紹介してくれたことを思い出した。「森火事に一滴ずつ水を運ぶハチドリに対して、森から逃げた動物たちは『そんなことして何になるのだ』と笑います。ハチドリは『私は、私にできることをしているだけ』と答えました……。
私は今年、このハチドリのような活動を実践していこうと決意した。形から入ることが好きな私は、自分へのお年玉としてウェッジウッドの「ハミングバード」を買うこととした。
BOX 袴田事件 命とは
今晩、朝日ホールで「BOX 袴田事件 命とは」の試写会があった。高橋伴明監督らの舞台あいさつに続いて、袴田巌さんの姉ひで子さん・熊本典道元裁判官・免田栄さんからも話があった。先日、NHK:ETV特集で熊本さんと免田さんとの話し合いの様子が放映されたばかりであるせいか親近感をもって話を聞くことができた。
さて、映画そのものの内容であるが、一言で表現するならば「重かった!」 この映画を見ただけで判断してはいけないと知りつつ、本当に警察・検察・裁判所の組織というものは、これほどまでに冤罪を生み出す装置と成り果てているのであろうか。これほどまでに袴田さん「シロ」の証拠がそろっていながら、再審請求が通らない理由とは何なのだろうか…? 袴田さんに拘禁反応による精神障害が見られるということから、再審→無罪→釈放となると、警察・検察・裁判所が新たに責められることを回避しようとしているのではないかさえ考えれる。私の自宅から徒歩10分の所にある東京拘置所で、今日も袴田さんが苦しんでいるのかと思うと、心が騒いで寝つけない。
萩原聖人さん演じる熊本裁判官が、苦しんで苦しんで、おもちゃのピアノを弾く子どもたちに大声をあげたシーンでは胸がかきむしられるような気持ちになった。職業裁判官でさえ、これほどまだに苦しまなければならない「人間が人間を裁く」という行為を『裁判員制度』の名のもとに、私たちも行わなければならないことに対する疑問が更に増した一夜となった。
映画『沈まぬ太陽』
いっぱい宿題があるので、どうしようかと迷っていたのだが、今朝の「天声人語」:「ナショナル・フラッグ・キャリア=日本航空」を読んで、やはり『沈まぬ太陽』を見に行くこととした。妻を誘い二人で出かけた。私が50歳を超えているので二人で2000円と割安…。
さて、映画についての感想。あの長編小説を見事に料理したなというのが第一印象。3時間半の長編映画ということで、腰が痛くなるのではないかと心配していたが、長いなぁーとは感じなかった。見終わった直後は、これだから日航は倒産してしまうんだよなぁ。4半世紀前の石坂浩二演じる国見会長の日航改革が継続していれば、今日のような事態にはならなかったのではないかと。しかし、妻とブラブラ歩いているうちに、あまりに渡辺謙演じる恩地元がカッコ良すぎると思うようになった。人間はあんなにもブレることなく生きることができるのだろうかと…。
山崎豊子作品には、よく善玉と悪玉の対立が見られる。たとえば、『白い巨塔』の里見と財前。『不毛地帯』の壹岐と里井。そして『沈まぬ太陽』の恩地と行天。しかし人間には100%の善人も悪人はいないのではないか。あまりに恩地はカッコ良すぎる。単なる物語小説ならば良いが、この『沈まぬ太陽』はモデル小説である。しかもあの日航123便を扱ったものである。「この映画はフィクションです」とどんなに強調したとしても、映画の印象が強すぎる。恩地元のモデル小倉寛太郎氏について深く知りたくなった。
*なお、この『沈まぬ太陽』の批判として、Wikiに掲載されている文章を資料として挙げておく。「日本新聞・鷹名記者」のモデルである高尾・日経記者による作品批判 http://www.rondan.co.jp/html/ara/yowa3/index.html