BOX 袴田事件 命とは

VegeetaM2010-05-18

 今晩、朝日ホールで「BOX 袴田事件 命とは」の試写会があった。高橋伴明監督らの舞台あいさつに続いて、袴田巌さんの姉ひで子さん・熊本典道元裁判官・免田栄さんからも話があった。先日、NHK:ETV特集で熊本さんと免田さんとの話し合いの様子が放映されたばかりであるせいか親近感をもって話を聞くことができた。
 さて、映画そのものの内容であるが、一言で表現するならば「重かった!」 この映画を見ただけで判断してはいけないと知りつつ、本当に警察・検察・裁判所の組織というものは、これほどまでに冤罪を生み出す装置と成り果てているのであろうか。これほどまでに袴田さん「シロ」の証拠がそろっていながら、再審請求が通らない理由とは何なのだろうか…? 袴田さんに拘禁反応による精神障害が見られるということから、再審→無罪→釈放となると、警察・検察・裁判所が新たに責められることを回避しようとしているのではないかさえ考えれる。私の自宅から徒歩10分の所にある東京拘置所で、今日も袴田さんが苦しんでいるのかと思うと、心が騒いで寝つけない。
 萩原聖人さん演じる熊本裁判官が、苦しんで苦しんで、おもちゃのピアノを弾く子どもたちに大声をあげたシーンでは胸がかきむしられるような気持ちになった。職業裁判官でさえ、これほどまだに苦しまなければならない「人間が人間を裁く」という行為を『裁判員制度』の名のもとに、私たちも行わなければならないことに対する疑問が更に増した一夜となった。