映画『沈まぬ太陽』

VegeetaM2010-01-10

 いっぱい宿題があるので、どうしようかと迷っていたのだが、今朝の「天声人語」:「ナショナル・フラッグ・キャリア日本航空」を読んで、やはり『沈まぬ太陽』を見に行くこととした。妻を誘い二人で出かけた。私が50歳を超えているので二人で2000円と割安…。
 さて、映画についての感想。あの長編小説を見事に料理したなというのが第一印象。3時間半の長編映画ということで、腰が痛くなるのではないかと心配していたが、長いなぁーとは感じなかった。見終わった直後は、これだから日航は倒産してしまうんだよなぁ。4半世紀前の石坂浩二演じる国見会長の日航改革が継続していれば、今日のような事態にはならなかったのではないかと。しかし、妻とブラブラ歩いているうちに、あまりに渡辺謙演じる恩地元がカッコ良すぎると思うようになった。人間はあんなにもブレることなく生きることができるのだろうかと…。
 山崎豊子作品には、よく善玉と悪玉の対立が見られる。たとえば、『白い巨塔』の里見と財前。『不毛地帯』の壹岐と里井。そして『沈まぬ太陽』の恩地と行天。しかし人間には100%の善人も悪人はいないのではないか。あまりに恩地はカッコ良すぎる。単なる物語小説ならば良いが、この『沈まぬ太陽』はモデル小説である。しかもあの日航123便を扱ったものである。「この映画はフィクションです」とどんなに強調したとしても、映画の印象が強すぎる。恩地元のモデル小倉寛太郎氏について深く知りたくなった。
 *なお、この『沈まぬ太陽』の批判として、Wikiに掲載されている文章を資料として挙げておく。「日本新聞・鷹名記者」のモデルである高尾・日経記者による作品批判 http://www.rondan.co.jp/html/ara/yowa3/index.html