地雷原訪問

 バンティアイ・ミアンチェイ州マライ郡オーソンポー地区の地雷原M4633地域(18ha以上)を訪ねた。地雷除去に当たっているCMAC(Cambodian Mine action Centre)の方の話によると、1985年以降に埋められたもので、埋めたのは地域の支配権を維持しようとしたクメール・ルージュはもちろんのこと、ベトナムおよびヘン・サムリン傀儡政権の3グループ。このことから、埋められている地雷もさまざまな形状があり、不発弾(Uxo)もベトナム製あり旧ソ連製ありとさまざまであるとのことであった。ここM4633地域で地雷除去活動を開始して以来、対人地雷=71、対戦車地雷=4、不発弾(Uxo)=22、金属片=203,740が見つかっているという。神経を集中しなければならない地雷除去活動中に恐縮ではあったが、少しだけインタビューさせていただく機会を得た。
 Q.地雷除去活動で苦労することは何ですか?
 A.金属探知器を使って地雷を探すのだが、あまりに金属片が多いので、金属探知器がす  ぐに反応して苦労している。それと、蚊が多いことがきつい。
 Q.金属片と地雷との音の聞き分け方のようなものはあるのですか?
 A.私たちは10年以上も経験しているので、金属片の反応音と地雷の反応音とを聞き分け  ることができる。
  Q.地雷除去に失敗されて、手足を失ってしまった方はいますか?
 A.少なくとも私たちのグループにはいない。
   ―今後とも気をつけて、地雷除去にあたってください。―
  私がインタビューを終えて、ビデオカメラを操作していると、奥田さんから「作業員から20m離れないと除去活動ができないから離れて!」「ビデオを操作しながら歩くのは危険だからやめなさい!」と注意を受けた。私はここが、生死を分けるかもしれない地雷原であるという危機意識に欠けていたことを深く反省した。改めて、生活の中に地雷があることを痛感した。