黒川温泉

 早いもので父の七回忌。父の故郷:熊本で法要を行う。54歳の時、脳梗塞で倒れ一時職場復帰するものの、早期退職を余儀なくされた。晩年は寝たきりの生活となってしまった。大腸ガンが肺へ転移するに至り、73歳の生涯を閉じた。末期の肺ガンは呼吸困難の状態を呈し、見ている者をいたたまれなくした。亡くなる3週間くらい前であったろうか、ペースト状の食事を摂ることもできなくなり、太い注射器でチューブを通して食事を与えなければならなくなった私は父に「もう十分に頑張ったよ。もう・・・」と声をかけた。父は目を剥いて私に抗議した。それ以来、私の食事は受けつけなくなった。私は父のボロボロになりながらも生きようとする力に感服した。ようやく私の食事を受け入れるようになったのは、死の3日前であった。あれから6年の月日が過ぎ去っていった。二人の孫は写真のように大きく成長した。